消費者金融からの過払金回収の事例①

 依頼者は,
おおよそ8年から10年前から,いわゆるサラ金5社から次々に借り入れをしていきました。借金の理由は給料の減少と住宅ローンのステップ金利による返済額の増加などです。依頼者は,私が受任した時点でサラ金5社から約350万円の残債務を請求されていまし
た。

 受任した時点では約350万円の請求を受けていましたが,取引期間が8年から10年ほど
ありましたので,逆に過払いではないかと考えました。

 そこで,債権者に対し,受任通知および依頼者にかかわる借入と弁済の一覧表の開示を求め,開示された資料に基づき,利息制限法による利息で再計算を行ったところ,やはり300万円以上の金額が過払いになっていました。

 この案件は,サラ金から350万円請求されているものが,実際には300万円以上の過払いであった,その差が650万円以上もあったと言うものです。

 この事例は,裁判外での話し合いが決裂しましたので,私が代理人となって訴訟を提起しました。訴訟を経由して,結局のところ324万円の回収ができました(司法書士が訴訟代理できるのは1社140万円までです。この過払金の額は数社を合計した額です)。

 ただ,注意しなければならないことは,この案件のように,サラ金との取引期間が10年を超えていたとしても,実際に過払いにならないと言うケースもあることです。過払金の有無につきましては,調べてみないとわかりません。

 しかし,サラ金との取引期間が長期に及ぶ場合には,やはり過払いを疑うべきで,過払金の有無の調査をしてみたいものです。



消費者金融からの過払金回収の事例②

 依頼者は,いわゆるサラ金数社からの借入があり,毎月の返済ができなくなってしまいました。そこで,依頼者は,自己破産を視野に入れた債務整理を考えていました。

 債務整理をする場合,自己破産・個人再生・任意整理・特定調停など,どのような手続きを取るにしても,必ず債権者に対して取引履歴の開示を求め,この開示を得たのちに利息制限法の利息で再計算を行い,そして法律に基づいた債務残額を確認することになります。
 この依頼者の場合,取引履歴の開示を求めて利息再計算をしたところ,それでも約150万円の債務が残りました。

 おおむね36回の分割払いにするとしても,毎月の支払いが約4万円から5万円になり,現在の状況では返済が困難になる可能性が強く,自己破産もやむなしかと言う状況になりました。

 ここで,債務整理の方針を検討するにあたり,念のため過去に借入をしていたけれども,現在は返済してしまっているものがあるかを確認してみました。すると,すでに数社の返済が終わっているということを話してくれました。

 一定の取引期間があり,その後完済しているものが数社あると言うことは,この依頼者にとってプラスの材料です。すでに完済していたとしても,過払金が回収できる可能性があるのです。
 そこで,すでに完済している債権者に取引履歴の開示を求めたところ,200万円近い過払い金の存在が確認できました。

 この依頼者は,一見すると債務が残り,場合によっては自己破産もやむを得ないというものでしたが,過去,完済していたサラ金から回収した過払金によって,債務全額を一括弁済したほか,司法書士の費用も持ち出しすることなく,すべての債務を整理することができました。

 過去,一定期間の取引があり,すでに完済している債務を有効に使った事例です。完済した債務の過払金の消滅時効は10年です。このような事例に該当する方は,お早めに身近な専門家に相談することをお勧めいたします。

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