未払賃金請求

未払賃金や解雇予告手当請求の事例

 依頼者は,2年ほど前にA社に就職し,ほとんど休まずに勤務してきました。
 ところが,ある日の休日,自家用車を運転していたところ,交通事故に遭ってしまい,1か月ほど仕事に出勤できなくなりました。この仕事は重労働のため,完全に体調が回復しないと勤務できない事情がありました。

 そして,欠勤して1か月経ったある日,突然に解雇されました。
 A社は零細企業でしたので,1か月も休まれると解雇せざるを得ないということは,事情としてはわからなくもありません。しかし,A社は,会社が蒙った損害もあるとして,最後の1か月分の給料の支払いを拒否し,また解雇予告手当ての支払いもしませんでした。

 これでは,残念ながら,依頼者も納得できません。そこで,依頼者はまず労働基準監督署に相談しました。しかし,充分な対応を受けることができなかったようで,次に簡易裁判所に相談をしました。簡易裁判所では,訴訟をすることを勧める以外に対応することはできませんので,依頼者は私の事務所に相談に来ました。

 私は,まず,依頼者が復職を希望しないことから,内容証明郵便で給料の1か月分の支払いと解雇予告手当の支払いなどの請求をしました。A社は予想通りこれを無視しました。
 そこで,引き続き,簡易裁判所に対し,未払賃金および解雇予告手当て並びに付加金の請求をする訴えを提起しました。
 訴訟において,A社がタイムカードを提出したことから,さらに時間外未払賃金を追加的に請求することとし,訴えの変更を申し立てました。

 A社は訴訟の途中で弁護士を代理人に選任しました。弁護士さんが代理人になってくれたことはとても幸運でした。A社の本人訴訟の段階では,こちらの主張を全面否認していましたが,やはり弁護士さんは合理的な部分は認めてくれますので,争点が絞られてきました。

 そして,数回の期日を経て,裁判上の和解をすることができました。こちらも,A社が一部上場企業などの大企業という訳ではなく,実際には家族経営に近い零細企業であることから,それなりの譲歩をし,おおむね請求額の80%程度の金額で和解しました。